【保存版】人材紹介の売上はKPIで決まる!事業を安定運営・拡大させるためのKPI完全ガイド
人材紹介でマネジメント業務を担っている皆さん、今月の売上目標を「なんとなく」で決めていませんか?
「部下の行動量が足りないが、どこを指摘すればいいか分からない」「売上は上がっているけれど、バラつきがあり再現性がすくない」多くの人材紹介会社の経営者やマネージャーが抱えるこうした悩みは、正しいKPI(重要業績評価指標)管理によって解消可能です。
人材紹介は、属人的な職業であると思われがちですが、勘や経験則だけに頼るのではなく、論理的な指標を用いることで、売上の再現性は劇的に高まります。そこで本記事では、自社に最適なKPIツリーを設計し、事業の安定的な拡大を目指すための目標設計手法について、業界の平均値も交えながら解説します。
- 人材紹介事業の運営でKPIが重要である理由
- KPI設計に役立つ業界平均値
- KPIから紐解くプロセス毎の課題課題と改善アクション
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Toggle人材紹介事業でKPI管理が重要な3つの理由
KPI(重要業績評価指標)とは最終目標の達成までのプロセスを定量的に測る中間目標のことで、あらゆる業界・職種で用いられています。人材紹介事業においてもKPIは目標達成のための指標としてよく用いられますが、KPI管理がおろそかになっている人材紹介会社も少なくありません。一方で、成功している人材紹介会社は必ずといってよいほどKPI管理を重視しているという共通点があります。そこで、この章ではなぜ人材紹介会社がKPI管理を徹底すべきなのかについて理由を解説します。
歩留まりを特定し、売上を安定化できる
人材紹介は最終的な意思決定が人(求職者)によって行われるため、「決まるときは決まるが、決まらないときは全く読めない」という不安定な側面を持ちがちです。しかし、KPIを管理することで歩留まりを特定し「運良く決まった」という偶然を減らし、狙って売上を作る体制を構築できます。たとえば、売上が低迷している際に「スカウトの送信数が足りないのか」「面談後の案件紹介が不十分なのか」といったボトルネックを即座に特定できるため、不調時のリスクを最小限に抑え、再現性のある事業運営が可能になります。
論理的なアドバイスで部下からの信頼が得られやすい
KPIは部下の育成にも大きな役割をもっています。人材紹介の業務は属人化しやすいが故に上司からの適切なアドバイスもなく「もっと頑張れ」という言葉をかけられたとしても、部下は何を改善すればいいのかわかりません。最悪の場合、上司への不信感を募らせてしまう事態にもなりかねません。そこで、KPIを用いることで、「面談設定率が業界平均より低いから、まずはスカウトのターゲット選定とトークを見直そう」といった、具体的かつ納得感のある指導が可能になります。数値という客観的な事実に基づいたアドバイスは、上司に対する信頼獲得に繋がり、コンサルタント自身が自分の課題を自覚して自走するきっかけをつくります。
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【一覧表あり】人材紹介の主要KPI項目と平均数値の目安
人材紹介のKPIを設計する際、まず把握しておくべきなのは業界の「標準値」です。詳細な数値は伏せられていることが多いため、ここでは一つの目安として具体的なベンチマークを提示します。
フェーズ別にみるKPIの定義
人材紹介の業務フローは、大きく4つのフェーズに分かれます。それぞれのフェーズで追うべき指標は以下の通りです。
- 集客フェーズ:スカウト送信数、スカウト返信率、新規候補者獲得数
- 面談フェーズ:面談設定率、面談実施数、求人案件への応募承諾数
- 選考フェーズ:書類選考通過率、一次面接通過率、最終面接通過率
- 成約フェーズ:内定率、内定承諾率
【重要指標】参考にすべき数値の例
自社の状況を評価するための一般的な業界基準を以下の表にまとめました。各フェーズでその数値をどの役割が担っているのかも記載しています。
| フェーズ | 指標 | 平均的な数値の目安 |
|---|---|---|
| 集客 | スカウト返信率 | 1% 〜 3% |
| 選考 | 書類選考通過率 | 20% 〜 30% |
| 選考 | 一次面接通過率 | 30% 〜 40% |
| 成約 | 内定率 (面接実施〜内定) |
5% 〜 10% |
| 成約 | 内定承諾率 | 70% 〜 80% |
※上記の数値はあくまでひとつの指標例です。ハイクラス領域では返信率が下がり、未経験領域では内定率が変動するなど、扱う領域によって数値のレンジが異なる点には注意が必要です。
平均値を「自社の基準」に落とし込む
上記の数値はあくまで平均値であり、自社の強みや使用している媒体特性に合わせて基準を持たせることが重要です。たとえば、特定の専門職種に特化している場合は、スカウト返信率が低くても内定承諾率が高いといった特徴が出るはずです。まずはこのベンチマークを自社の現状と比較し、どのプロセスに伸び代があるのか、あるいはどこに課題があるのかを分析することから始めましょう。
目標から逆算する「KPIツリー」の作成方法
目標達成の再現性を高めるためには、最終目標であるKGI(重要目標達成指標)から逆算して、日々の行動指標であるKPIへ分解する「KPIツリー」の構築が欠かせません。(※KGI(Key Goal Indicator):最終的な目標のこと。主には売上などが設定される。)
ゴールから逆算してシュミレーションする
まずは「月間売上」や「成約人数」というKGIを明確に設定します。たとえば、月1名の成約を目標とする場合、逆算のロジックは以下のようになります。
このように、最終ゴールから逆算して各ステップの必要数を算出することで、今日行うべきスカウトの件数や面談の目標が自動的に導き出されます。
【KPIツリー】ゴールまでのプロセスを分解する
KPIツリーは、売上を頂点として、それを構成する要素を枝分かれさせていく図です。
このツリーで各プロセスを可視化することで、メンバー一人ひとりが「自分のどの行動が売上に直結しているのか」を直感的に理解できるようになります。
変数を見極め、コントロール可能な数字に注力する
KPIツリーを作った際、すべてを同時に改善しようとするのは非効率です。そこで、自社の強みやマーケットの状況に合わせ、どの数字が最も「動かしやすい変数」かを見極めることが重要です。たとえば、面談数は確保できているが推薦数が低い場合、求人案件の質や提案力に注力すべきです。逆に面談数が足りないなら、集客手法を見直し、スカウト媒体の選定や文面のA/Bテストにリソースを集中させます。自社でコントロール可能な数字にターゲットを絞って改善することが、最短での目標達成を可能にします。
KPIマネジメントとは|課題特定と改善アクション
数字は見るだけでは意味がありません。数値から課題を特定し、それを改善するための具体的なアクションに落とし込むことが、属人性を排除し安定的な成果を出す組織づくりのためには重要です。
ケーススタディ①:スカウトの返信率が低い
スカウトの返信率が1%を大きく下回るような場合、主な原因は「ターゲット選定のミス」か「スカウト文面の魅力不足」です。対策として、まずは「ABテスト」を実施しましょう。件名に候補者の現在の実績を盛り込むパターンと、福利厚生などの条件面を前面に出すパターンなど、複数の文面を試して反応率を比較します。また、ターゲットを絞り込みすぎて母数が減っていないか、逆に広げすぎて刺さらない内容になっていないか、週単位で微調整を繰り返します。
成果改善の事例:スカウト文のタイトル修正
これまではすべての候補者に同一のタイトル、文面でスカウトを送付していたが、開封率が数%程度しかなかった。そこで、スカウト文のタイトルに「【個別に連絡しています】…」といった文言を入れたところ、開封率が20%・返信率が15%改善した。
ケーススタディ②:書類選考通過率が低い場合
書類選考での通過率が低い場合、求人企業が求める要件と候補者のスキルの「ミスマッチ」が発生しています。まずは、求職者のスキルを棚卸しし、求職者が求める条件を重視した求人提案をおこなうのではなく、「求職者ができること」に着目して求人をマッチングさせることが必要です。一方で、求人提案の方向性自体は間違っていない(=最低要件は満たせている)が書類で落ちてしまう場合もあります。この場合は、求職者の魅力が十分に採用企業に伝えられていないことが考えられるため、「応募書類の修正」「推薦文の見直し」を行うことが有効な手段です。
書類選考通過率改善の事例:求職者の転職軸を整理
「土日祝休み・年間休日125日以上で残業ほぼ無し」という希望をお持ちの求職者に対して未経験ではあったが法人営業を提案していた。なかなか書類通過ができなかったため、再び求職者の希望を言語化したところ「自分の時間がほしい」というものであったため、残業がすくないシフト制の求人を提案し、面接まで進めることができた。
ケーススタディ③:面接通過率が低い場合
一次面接での通過率が低い場合、書類選考通過率と同様にスキルミスマッチが要因として挙げられますが、このフェーズにおいては候補者自身の準備不足も移行率悪化の原因として考えられます。対策としては、キャリアアドバイザーとの対策が有効で、面接前に「模擬面接」や「想定質問集の共有」といった面接対策を徹底することで通過率の改善につながります。
成果改善の事例:基本を抑えた面接対策
これまでは面接が確定した時点で個社ごとの対策を実施していた。そこから、初回面談もしくは追加面談で求人提案し、応募承諾の意思が確認できたタイミングで面接対策を設定し、面接対策資料を事前に共有する方式に変更した。その結果、実際の面接前は個社毎の対策に注力することができ、効率よく通過率を向上させることができた。
ケーススタディ④:内定承諾率が低い場合
内定は出るが辞退が多いケースは、候補者との「グリップ(信頼関係)」不足や、条件交渉の失敗が主な原因です。この段階での離脱は、それまでの工数がすべて無駄になるため、最も痛手となります。対策として、面談時の本音ヒアリングを徹底しましょう。内定が出たタイミングで唐突にクロージングにはいると、求職者は営業を受けている感覚になり不信感が芽生えます。他社の選考状況や、候補者が最後に何を基準に選ぶのかを事前に把握し、内定が出る前から不安要素を一つずつ潰しておくクロージングの強化が不可欠です。
成果改善の事例:選考感想回収のタイミングでテストクロージング
選考後の感想回収はフォーマットに回答いただく形で回収を行っていた。しかし、感想回収時は志望度が高いと回答があったのにも関わらず、実際に内定ができると辞退となることが続いた。そのため、感想回収の方法を電話接触に変更した毎回の接触時には、選考企業への志望度だけでなく、面接で聞かれたこと・懸念点・志望度・他社の選考状況を必ず確認した。それによって求職者の本心を聞き出すことができ、結果的に内定率が向上した。
KPI改善にはマッチング精度の向上が最優先!
KPI分析を進めていくと、多くの会社が「面談後の応募承諾率」の低さに直面します。その根本原因は、実はエージェントのスキル不足ではなく、紹介できる「求人案件のミスマッチ」にあることが非常に多いのです。
自社保有求人では頭打ち…求人開拓の限界
人材紹介事業を適切に運営するためには、少なくとも常時数百~数千の求人が必要です。しかし、自社だけで求人を開拓するには、膨大なテレアポや企業訪問の工数がかかります。さらには個別の契約を1社ごとに締結しないといけないなど、契約社数が増えれば増えるほど管理も煩雑になります。
そのため、小規模なエージェントや、集客・面談にリソースを割いている人材紹介会社にとって、常に最新の求人を網羅し続けるのは至難の業です。「いい候補者はいるのに、紹介できる求人がない」という状態は、人材紹介業において最大の機会損失になってしまいます。
データベース導入で求人開拓をしない選択肢も
こうした課題を一気に解決するのが、外部の「求人データベース」の活用です。自社で開拓する手間をかけずに、数千、数万件の求人案件に即座にアクセスできるようになります。求人データベースを利用することで、候補者の志向性にぴったりの案件を即座に提案でき、推薦数や内定承諾率といったKPIを劇的に改善できます。自社の工数をかけずに「紹介可能案件」を増やすことが、成約率を底上げする最も手っ取り早い手段です。
マッチング品質にこだわった「求人データベース|Bee」
求人開拓の工数をゼロにし、紹介可能求人を今すぐ拡大したいなら、ネオキャリアが運営する「求人データベース|Bee」がおすすめです。
Bee(ビー)は、決定率が非常に高い若手採用に強い求人を豊富に揃えているだけでなく、人材紹介事業の現場を知り尽くした専任のCS(カスタマーサクセス)が伴走します。掲載している求人は業界・職種を問わず大手~中小企業まで幅広いラインナップを取り揃えており、各求人の詳細な情報は専任CSからヒアリング可能なため、「求人のイメージが沸かない」ことで起こるミスマッチを防ぎます。「求人不足解消」と「マッチング率向上」によってKPIの移行率を一挙に改善したい場合は検討してみてはいかがでしょうか。
KPI管理を失敗させないための注意点とは
KPI管理を導入しても、それが現場の負担になりすぎて営業活動が止まってしまっては意味がありません。「効率化」と「継続性」を両立させるためのポイントを整理します。
「管理のための管理」にしない
KPI項目を細かく設定しすぎると、入力作業だけで現場の営業担当の時間が奪われてしまいます。これは「管理のための管理」に陥っている典型的なパターンです。まずはKGIに直結する先行指標を3〜5つ程度に絞り込み、現場の負担を最小限 に抑えましょう。大切なのは、数字を出すことではなく、その数字を見て「次の一手をどう変えるか」を議論する時間を確保することです。
Excel/スプレッドシートによる管理の限界
創業期はExcelやスプレッドシートでも管理可能ですが、人数が増えるにつれて「集計ミス」「二重入力」「リアルタイム性の欠如」といった問題が顕在化します。最新の数字を把握するために誰かの作業を待たなければならない状態は、スピード感が命の人材紹介業において致命的なロスとなります。データの整合性が保てなくなると、KPIに基づいた正しい判断ができなくなるリスクもあります。
人材紹介システム(CRM/SATS)の導入
事業を拡大し、PDCAを高速化させるためには人材紹介専用システムの導入が効果的です。こうしたシステムを活用すれば、日々の業務を入力するだけで、ダッシュボード上でリアルタイムに数値が可視化されます。管理工数を大幅に削減しながら、チーム全体の動きを把握できるようになるため、より戦略的なマネジメントが可能になります。ITツールを味方につけ、筋肉質な組織作りを目指しましょう。
【Q&A】人材紹介のKPIに関するよくある質問
Q1. 参考になるデータが社内にありません。どうすればいいですか?
A. 最初は、本記事で紹介した「業界平均」を仮置きしてスタートしてください。3ヶ月ほど運用すれば、自社の得意領域や弱点が見えてきます。そこで初めて、自社の実情に合わせた目標数値へ修正を加えるのが最もスムーズです。
Q2. KPI項目が多すぎて、どれを優先に管理すればいいか迷っています。
A. 最初は「面談実施数」と「求人案件への応募承諾数」の2つに絞ることをおすすめします。この2つは売上の先行指標として非常に強力です。
Q3.求人案件が少なくて、どれだけ頑張ってもKPIが達成できません。
A. 求人開拓専用の部隊を作る余裕がない場合は、外部リソースである「求人データベース」を即座に導入しましょう。自社で無理にRA業務を抱え込むより、効率的に案件を確保して、コンサルタントは候補者対応に集中させるのが、最も成約率が高まる戦略です。
Q4.個人目標とチーム目標、どちらを優先して管理すべきですか?
A. 最終的にはチーム目標の達成が不可欠ですが、個人のモチベーションを維持し成長を促すためには「個人KPIの達成」をきめ細かく評価することが重要です。個人の成功が積み重なってチームの目標が達成される、という順序を意識しましょう。
まとめ|正しいKPI設定が事業成長の鍵
人材紹介事業を成長させるためには、KPIという「現在地を把握するための地図」が必要です。勘に頼る経営を脱却し、数値に基づいた論理的なマネジメントを行うことで、売上は確実に再現性を持ち始めます。一方で、正しい地図があっても、紹介できる求人案件が不足していれば、成約というゴールに辿り着くことはできません。
もし今、求人不足がボトルネックになっていると感じるなら、ネオキャリアの「Bee」のような求人データベースを活用して選択肢を増やすことから始めてみてください。人材紹介事業を次のステージに進めるために「適切な目標設定」と「十分な求人案件」を揃えることから初めてみてはいかがでしょうか。
前職は人材派遣領域で法人営業職に従事し、その後ネオキャリアに中途入社。
未経験層の転職支援を行う事業部でキャリアアドバイザーを経験後、求人データベースBeeのカスタマーサクセスに転身し、複数の人材紹介会社様の支援を行う。現在は、求人データベースBeeのマーケティング兼運営を行う。