人材紹介業の成功はデータベースにあり!導入メリット・デメリットから活用事例、最新ツールまで徹底解説

人材紹介事業は事業の特性上、膨大なデータを管理しなければなりません。例えば、求職者の個人情報から企業の採用情報など、事業運営に関わるプロセスすべてにおいて大量のデータを扱うことになります。そのなかでも特に求人情報と求職者情報の効率的な管理は事業のスムーズな運営には欠かせない要素となっています。実際にこれらのデータ処理や管理に工数がかかり、本来注力すべき事業に集中できない事例もよく見受けられます。
そのような課題を解決できるのが、人材紹介事業向けに展開されているデータベースサービスです。人材紹介データベースは、求職者情報、求人情報、企業情報、面談記録、進捗状況などを一元的に管理し、業務効率を向上させるための便利なツールです。
そこで本記事では、人材紹介向けのデータベースにはどういった種類のものがあるのか、その種類や機能といった基本的な情報から、導入のメリット・デメリット、具体的な活用方法まで詳細に解説します。
さらに、「どの製品を導入すればよいか」といった疑問に答えるサービス選びのポイントもご紹介しています。本記事を最後まで読んでいただくことで、データベースを導入するべきかどうかの判断基準が明確になりますので、今後人材紹介事業を立ち上げたい方や人材紹介事業を効率的に運営したいと考えている担当者様は、ぜひ最後までお読みください。
目次
Toggle人材紹介業向けのツールは”求人データベース”と”求職者データベース”の大きく分けて2種類
人材紹介業におけるデータベースは、その役割によって大き「求人データベース」と「求職者データベース」の2種類に分けられます。それぞれがどのような機能を持つのか、詳しくご紹介します。

求人データベースとは
求人データベースとは、様々な企業からの求人情報を集約し、人材紹介会社が求職者に紹介できるよう体系的に管理されたシステムです。
求人データベースを導入することで、求人開拓の工数を割くことなく多数の求人を求職者に紹介できることが最大の特徴です。また、一部のサービスでは、自社で開拓した求人も一元管理できるものもあります。
求人データベースの具体的な製品例
Bee(ビー)
Beeは、株式会社ネオキャリアが運営する、未経験者や若手向けの求人が豊富なデータベースです。初期費用なしで最短3営業日での利用開始が可能です。また、各企業に専任のカスタマーサクセスがつき、充実したサポートを受けられるのが特徴です。(公式サイト:求人データベースBee)
Zキャリアプラットフォーム(ゼットキャリアプラットフォーム)
Zキャリアプラットフォームは、2024年7月1日に「agent bank」から名称変更された、求人データベース、オプションサービスとして求職者集客支援も実施しています。採用理由や落選理由の詳細を求人情報に反映し、提案や選考対策もサポートすることで高い決定率を誇ります。(公式サイト:Zキャリアプラットフォーム)
circusAgent(サーカスエージェント)
circus AGENTは、CIRCUS株式会社が運営する、求人データベースです。毎月1,500件以上の求人が登録され、月間1万件近い紹介データに基づき高精度なマッチングを実現します。求人・求職者管理機能に加え、他エージェントとの協業を促進するアライアンス機能も提供しています。(公式サイト:circusAgent)
JoBins(ジョビンズ)
運営会社は株式会社Jobinsで、月額利用料が無料のため立ち上げたばかりであまり費用をかけられない人材紹介事業者も導入しやすい求人データベースです。ジョビンズが開拓した自社求人だけでなく、全国のエージェントから共有されたシェアリング求人によって幅広いエリアをカバーしています。(公式サイト:JoBins)
求人データベースの基本機能
ここでは、どの求人データベースにも備わっているような代表的な機能について紹介します。求人データベースの主要な機能として以下のようなものがあります。
- 求人検索・絞り込み機能
キーワード、職種、業界、勤務地、年収、雇用形態など、多様な条件で求人を検索し、効率的に候補を見つけ出すことができます。 - 進捗管理機能
求職者の応募状況、選考フェーズ、合否などの進捗を求人ごとに管理できます。 - 求職者管理機能
求人データベース上の求人に応募した求職者を中心に、自社で支援している求職者の基本情報を登録し、一元管理ができます。 - 求人管理機能
企業名、職種、勤務地、給与、仕事内容、応募条件など、詳細な求人情報を登録・編集・管理できます。
その他、一部の求人データベースでは、独自の機能としてこれらのような機能をもつ製品もあります。
カスタマーサクセス機能:
求人データベースを契約している人材紹介会社に対して、有料もしくは無償(サービス利用料のみ)で求人データベース活用のコンサルティングをしてくれるサービスです。中には、人材紹介事業全体のコンサルティングや事業状態に応じたノウハウ提供を実施してくれるものもあります。
求人シェアリング機能:
人材紹介会社が自社で保有している求人をデータベース上に共有し、他の人材紹介会社も利用できるように求人情報を連携できる機能です。自社で適した求職者を集客できなかった場合でも他の人材紹介会社から求職者を紹介してもらえるので、機会損失を防ぐことにつながります。
レコメンド機能:
求人データベース上に登録されている求職者のスキルや経験などの情報に基づいて、マッチする求人をAIが自動で提案する機能です。過去の選考データに基づいて求人を紐づけていくため、求職者と求人のマッチング精度向上が期待されます。
求人データベースのメリット・デメリット
求人データベースの代表的な機能についてご理解いただいたうえで、求人データベースを導入することで得られるメリットと、考慮すべきデメリットを解説します。

求人データベース導入のメリット
- 求人開拓の効率化・コスト削減:
自社でゼロから求人を開拓する手間やコストを大幅に削減できます。特に、事業立ち上げ時や、求人開拓のリソースが限られている場合に有効です。実際に営業担当を1名新たに雇用するよりも、三分の一程度に費用を抑えることが出来るため、かなり費用対効果がよいといえます。
- 多様な求人へのアクセス:
幅広い業界・職種の求人情報にアクセスできるため、求職者の多様なニーズに対応しやすくなります。立ち上げたばかりの人材紹介会社では通常、開拓が難しいとされる上場企業の求人や人気企業の求人も求職者に紹介可能になるため、求職者の惹きつけにも活用ができます。
- マッチング精度の向上:
豊富な求人情報から、求職者のスキルや希望に合致する求人を効率的に見つけ出すことができます。また、一部の求人データベースでは求職者の情報をもとにサポート部隊が最適な求人を探す支援をしてくれるところもあり、求人探索にかかる時間を大幅に削減してくれます。
- 社内・チーム内の情報連携強化:
社内で保有している求人の情報や支援中の求職者情報の管理方法が統一され、社内やチーム内での情報共有がスムーズになります。
- 成約率の向上:
求人データベースに掲載されている多くの選択肢の中から最適な求人を見つけることで、求職者の満足度を高めます。それによって、他の人材紹介会社との差別化が図りやすくなり、成約まで繋がりやすくなります。
求人データベース導入のデメリット
- データベースの利用料がかかる:
どの求人データベースと契約をしても、基本的には月額費用や成果報酬など、サービスごとに利用料が発生します。もちろんサービスによって費用は異なりますが、年間で100万円以上の費用は準備しておいた方がよいとされています。また、無料で利用できる求人データベースも存在しますが、その分サポート範囲が限られていたり、求人の質・量に課題がある場合もあるので注意が必要です。
- 他の人材紹介会社とのバッティング:
同じ求人データベースを利用する他の人材紹介会社と求職者の推薦が重複する可能性があります。そのため、競争率が高く、なかなか成約まで至らないというリスクが考えられます。
- 求人情報の鮮度:
サービスによっては求人元企業や求人を保有・掲載している人材紹介会社が手動で求人情報の更新を行っている場合があります。そのため、求人データベース内の求人情報が常に最新であるとは限らず、すでに募集が終了しているケースもあります。
- 詳細な求人情報の不足:
求人データベースに掲載されている情報のみでは、企業の詳細な文化や雰囲気まで把握しきれない場合があります。また、内定まで進んだ場合でも、求人企業に対して直接年収交渉を行なうことは基本的にはできないため、自社で開拓した求人と比較すると柔軟さには欠けるといえます。
求人データベースの活用方法
求人データベースは求人開拓の面で人材紹介事業の立ち上げを支援するツールですが、うまく活用できなければ成果向上につなげることはできません。そこで、ここでは求人データベースを最大限に活用するための具体的な方法をご紹介します。
- 新規事業立ち上げ時の基盤構築:
新規事業として人材紹介業をはじめたタイミングは求職者に紹介できる求人の確保が急務となります。そこで、求人データベースを導入することによりゼロから求人開拓を行う労力を省き、早期に事業を軌道に乗せるための強力な基盤として活用します。
- 新規事業立ち上げ時の基盤構築:
- 求人不足の解消:
人材紹介事業を運営するのにあたり、求人の不足は事業運営上の大きな課題となります。例えば、自社で開拓した求人だけでは求職者のニーズに応えきれない場合に、求人データベースから多様な求人を補充し、マッチング機会を増やします。
- 求人不足の解消:
- 特定分野の専門性強化:
特定の業界や職種に特化したデータベースを利用することで、その分野における専門性を深め、質の高いマッチングを実現します。一方で、求職者の集客属性が特定の分野に絞られていたとしても、求職者の希望が異業種への転職の場合もかなり多いため、ある分野に特化した求人だけでなく、未経験採用を積極的に行なう求人を保有できていることも人材紹介事業を運営するうえでアドバンテージとなる可能性もあります。
- 特定分野の専門性強化:
- 求人担当営業の効率化:
立ち上げたばかりの人材紹介事業者の多くが、人的リソース不足を理由として求人担当営業(RA)と求職者担当営業(CA)を兼任させます。そういった状況の中で求人データベースの導入は、営業担当者が求人開拓に費やす時間を削減し、求職者との面談・提案業務や面接対策など、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。
- 求人担当営業の効率化:
- 市場トレンドの把握:
求人データベース上に掲載している求人は基本的には最新且つ現在募集している求人になっています。そのため。求人データベース内の求人情報を分析することで、現在の市場のニーズやトレンドを把握し、事業戦略に活かすことができます。
- 市場トレンドの把握:
こちらの記事ではより詳細な求人データベースの活用方法について説明しています。また、実際に求人データベースを導入したことで成果をあげた人材紹介会社の事例も紹介しているので、求人データの賢い使い方について学びたい方は合わせてご確認ください。
2種類の「求職者データベース」を理解する
人材紹介業における求職者データベースという言葉には、「求職者情報が蓄積されている外部データベース」と「自社で集客した求職者情報を管理するシステム」という2つの異なる概念があります。ここでは、それぞれのデータベースの特徴、機能、メリット・デメリットと具体的な活用方法について紹介します。

求職者情報が蓄積されているシステム(外部データベース)
第三者の企業が運営し、多数の求職者情報を集約して人材紹介会社向けに提供しているサービスを指します。人材紹介会社は、これらのデータベースにアクセスし、自社の求める人材を探し出し、スカウトを行うことが主な活用方法です。
代表的な外部データベースの例
ビズリーチ
高年収層に特化したハイクラス向け転職プラットフォームですが、人材紹介会社向けのデータベースも提供しており、人材紹介会社は登録されている求職者のレジュメを閲覧し、スカウトを送ることができます。(公式サイト:ビズリーチ)
doda ダイレクト
dodaが提供する法人向けのサービスで、豊富な求職者データベースから条件に合う人材を検索し、スカウトメールを送ることができます。(公式サイト:dodaダイレクト)
AMBI
AMBIはエン・ジャパンが運営するスカウト型転職サービスで、登録者の多数は幹部候補や次世代リーダーとなりうる人材などハイスペックな若手層に絞ってスカウトを送ることができます。(公式サイト:AMBI)
リクルートダイレクトスカウト
「リクナビNEXT」を運営するリクルートが人材紹介会社向けに提供しているサービスのことで、人材紹介会社はサイトに登録している多数の求職者情報にアクセスし、匿名レジュメから自社にあった求職者を探し、直接アプローチすることができます。(公式サイト:リクルートダイレクトスカウト)
その他、現在では多数の外部データベースが存在しており、これらの外部データベースは、莫大かつ広範な人材情報の中から自社で支援可能な求職者を発掘したい場合に非常に有効です。
外部求職者データベースの基本機能
- 求職者検索・絞り込み機能
業界、職種、スキル、経験年数、最終学歴、希望年収、居住地など、多様な条件で求職者を検索し、最適な人材を見つけ出します。 - レジュメ・プロフィール閲覧機能
登録された求職者の詳細な職務経歴書やスキル、自己PRなどを閲覧できます。 - スカウトメール機能
自社で保有する求人にマッチした求職者など、興味を持った求職者に対し、個別にメッセージや求人情報を送信できます。 - 進捗管理機能
データベースによりますが、スカウト送信状況や返信状況・開封率などを管理できる場合があり、返信率や開封率の高いスカウト文の分析等に活用できます。
外部求職者データベースの活用方法
- ターゲット人材の効率的な発掘
自社で保有する求人の採用要件に合致する人材を、膨大なデータベースから効率的に探し出します。特に、自社ではリーチしにくい層へのアプローチに有効です。
- 転職潜在層へのアプローチ
転職意欲がまだ顕在化していないものの、スキルや経験がマッチする潜在的な候補者に対し、スカウトを通じてアプローチし、転職のきっかけを提供します。 - 市場ニーズの把握
どのようなスキルや経験を持つ求職者が多いのか、どのような求人に関心があるのかなど、データベース内の情報を分析することで、現在の労働市場のトレンドやニーズを把握できます。
自社で集客した求職者の情報を管理するシステム
一方で、こちらは人材紹介会社が自社で獲得した求職者の情報を一元的に管理するためのシステムを指します。多くの場合、ATS(採用管理システム)やCRM(顧客関係管理システム)の求職者管理機能の一部として提供されます。
このシステムは、自社の選考プロセスにおける求職者の進捗管理、面談記録、希望条件、スキルなどを詳細に記録し、適切な求人とのマッチングや、きめ細やかなサポートを目的としています。
これらのシステムは、自社で集客した求職者の情報を効率的に管理し、マッチングの精度向上、担当者間の情報共有、採用プロセスの最適化に貢献します。
代表的な社内データベースの例
人材紹介・派遣会社に特化したCRM/ATSで、求職者管理、求人管理、マッチング、進捗管理、契約管理、売上管理まで幅広い機能を網羅しています。人材紹介業の業務フローに最適化されているため、多くの人材紹介会社で導入されています。(公式サイト:PORTERS Agent)
MatchinGood(マッチングッド)
同じく人材紹介・派遣業向けのシステムで、求職者・求人管理、マッチング、進捗管理に加え、売上予測や経営分析機能なども備えています。直感的な操作性が特徴です。(公式サイト:MatchinGood)
LaS(ラス)
人材紹介業務に特化したクラウド型CRMで、求職者管理、求人管理、マッチング、面談調整、進捗管理などの機能を持ち、シンプルなインターフェースで使いやすさを重視しています。
Tamago-DB(タマゴディービー)
人材紹介会社向けのクラウド型CRM/ATSで、求職者・求人管理、自動マッチング、レジュメ作成、進捗管理、KPI管理など、幅広い機能を提供しています。(公式サイト:Tamago-DB)
HRMOS採用(ハーモス採用)
株式会社ビズリーチが提供する採用管理システムで、求職者の一元管理、選考進捗の可視化、面接管理、採用分析など、自社採用におけるATS機能が充実しています。人材紹介会社が自社採用に利用するだけでなく、一部、人材紹介会社が候補者管理に利用するケースもあります。(公式サイト:HRMOS採用)
自社内求職者データベース(ATSの一部)の基本機能
- 求職者情報の登録・管理
氏名、連絡先、職務経歴、スキル、希望条件(職種、勤務地、年収など)、面談記録、評価などを詳細に登録・管理します。 - 求職者検索・絞り込み
登録された情報を基に、スキル、経験、希望職種など、様々な条件で求職者を検索し、最適な人材を迅速に見つけ出します。 - 進捗管理
求職者の応募状況、選考フェーズ、合否、内定状況などをリアルタイムで管理し、担当者間の情報共有を円滑にします。 - レジュメ管理
求職者から提供されたレジュメや職務経歴書をシステム内で一元的に管理・閲覧できます。
- メール・連絡履歴管理
求職者とのやり取りの履歴(メール、電話など)を記録し、担当者間での情報共有を円滑にします。 - マッチング機能
登録された求職者情報と求人情報を自動的に照合し、マッチング度の高い候補を提示します。
自社内求職者データベース(ATSの一部)の活用方法
- 効率的な求職者対応
求職者の希望条件や職務経歴を瞬時に把握し、初回面談からスピーディかつ的確な求人提案を行います。これにより、求職者の満足度向上にも繋がります。 - 長期的な関係構築
過去に支援した求職者の情報を定期的に確認し、市場の変化やキャリアプランの変化に合わせて再提案を行うなど、長期的なキャリアパートナーとしての関係構築に役立てます。 - 担当者間のスムーズな連携
複数の担当者が一人の求職者をサポートする場合でも、データベースを通じて情報共有を行うことで、一貫性のあるサポートを提供し、引き継ぎ時のロスをなくします。 - 採用課題の分析
データベース内のデータを分析することで、特定の職種や業界で求職者が不足している、選考辞退が多いなどの採用課題を特し、具体的な改善策を検討します。
- マーケティング活動への応用
登録された求職者の属性や興味関心を分析し、ターゲットに合わせたスカウトメールの配信や、セミナー開催などのマーケティング活動に役立てることも可能です。
求職者データベース導入のメリット・デメリット
外部データベース、自社内データベース(ATS)のいずれを導入するにしても、共通のメリットとデメリットが存在します。ここでは、外部データベースと自社内データベース(ATS)についてそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
求職者データベース導入のメリット
- 求職者情報の集約と一元管理できる
散在しがちな求職者情報を一箇所に集約することで、必要な情報に素早くアクセスでき、業務効率が大幅に向上します。
- 最適なマッチングが実現できる
求職者の詳細な情報に基づいて、より適切な求人を提案できるようになり、マッチング精度が向上します。これにより、内定率や定着率の向上にも繋がります。
- 履歴の可視化と情報共有がスムーズになる
面談記録や連絡履歴が共有されることで、担当者間での引き継ぎがスムーズになり、チーム全体の対応品質が向上します。
- リピート利用・リファラル促進につながる
過去の求職者情報を効果的に管理することで、再度の転職支援や、知人の紹介といった
リファラルを促進しやすくなります。
- コンプライアンスの強化につながる
個人情報の適切な管理が可能になり、セキュリティ面でのリスクを軽減します。
求職者データベース導入のデメリット
- データ入力の手間がかかる
初期導入時や日常的に、求職者情報を正確に入力する手間が発生します。入力が滞ると、データベースの価値が低下します。
- システムの習熟まで時間がかかる
新しいシステムに慣れるまでに一定の時間を要する場合があります。
- データベースの利用料がかかる
サービスによっては月額費用や初期費用が発生します。機能や利用人数によって費用が変動するため、予算との兼ね合いが重要です。
- リピート利用・リファラル促進につながる
自社の業務フローに合わない機能があったり、必要な機能が不足している場合があります。導入前にデモなどを活用し、自社にフィットするかを確認することが重要です。
- 情報鮮度の維持に工数がかかる
求職者情報は常に変化するため、定期的な更新が不可欠です。情報の更新が滞ると、データベースとしての価値が低下する可能性があります。
求人データベース選びのポイントと創業期の人材紹介事業者におすすめな製品をご紹介
人材紹介データベースの導入は、事業の効率化と成長に直結する重要な経営判断です。ただし、数あるサービスの中から、なんの基準もなく自社に最適なものを選ぶことは困難です。そこで、ここでは押さえておきたいデータベース選びのポイントと、立ち上げの人材紹介事業者におすすめの製品をご紹介します。
求人データベース選びのポイント5選
求人データベースを選ぶ際には、以下の5つのポイントを押さえましょう。
掲載求人の内容(量・エリア)
料金体系
サービス提供企業によるサポート体制
付帯サービス
UI/UX(使いやすさ)
【おすすめ記事】
こちらの記事では、求人データベースの選び方についてさらに詳しくまとめています。自社と似た属性をもつ人材紹介はどの求人データベースを選んでいるのかや導入してから費用対効果が現れるまでどれくらいの期間・費用が必要なのかなど、求人データベースを導入する際のよくある困り事に答える内容になっていますので、導入を迷っている方は合わせてご確認ください。
求人データベースの6製品紹介
ここでは、創業期の人材紹介会社も多く導入している代表的な求人データベースサービスを6つご紹介します。
Bee(ビー)
特徴
株式会社ネオキャリアが運営する若手採用に強い求人が豊富な求人データベース。自社開拓の優良求人が豊富で、専任のカスタマーサクセスによる手厚い支援が魅力です。未経験者向けの求人も多く、若手人材をターゲットとする人材紹介会社におすすめです。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 人材紹介事業を立ち上げばかりの人材紹介会社、手厚いサポートを求める企業、若手の転職支援に強みをもつ人材紹介会社
circusAgent(サーカスエージェント)

特徴
圧倒的な求人数を誇り、求人ごとの選考結果情報や掲載内容など、データの質と量が充実しています。地方求人含め、多様な業界・職種の求人を取り扱っており、幅広いニーズに対応できます。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 幅広い求人ニーズに対応したい人材紹介会社、データに基づいた提案を行いたい企業
Zキャリアプラットフォーム

特徴
オプションとして求職者送客や集客支援など入口部分からサービスを展開している点が特徴です。求人情報だけでなく、求職者の集客支援も受けたい場合に有効です。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 求人開拓と求職者集客の両方に課題を持つ人材紹介会社
CloudAgent

特徴
幅広い求人領域を網羅しており、特に20~30代の経験者向け求人に強みを持っています。掲載されている求人は、一部、母集団形成にも活用可能です。経験のある求職者支援に強みをもつ人材紹介会社に適しています。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 経験者向け求人を多く保有したい人材紹介会社、幅広い領域の求人を取り扱いたい企業
ジョビンズ

特徴
人材紹介会社は無料で利用出来ることが一番の特徴です。全国各地の求人情報が掲載されているため、初期費用やランニングコストを余りかけることができない人材紹介会社におすすめです。
料金体系: 初期費用0円、成果報酬型など
こんな企業におすすめ: コストを抑えて求人データベースを導入したい人材紹介会社、これから事業を立ち上げる企業
HITO-Linkエージェント

特徴
パーソルグループが提供する人材紹介会社向け求人データベースで、パーソルグループが持つ豊富な求人情報(約8万件以上)にアクセスできます。幅広い業界・職種の求職者に対応できる求人データベースです。。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 求人案件のバリエーションを増やしたい人材紹介会社。採用システムと連携させ業務効率化を図りたい企業
求職者データベース選びのポイントとおすすめな製品をご紹介
外部求職者データベースと自社内データベース、どちらのタイプの求職者データベースも、それぞれ異なる目的と役割を持っています。自社のビジネスモデルや求人属性 採用戦略に応じて、最適なデータベース選びをすることが重要です。
外部求職者データベースの導入に向いているケース
外部求職者データベースは主に新たな人材の「探索」と「獲得」を目的としています。以下のケースに当てはまる場合は、導入に向いているといえるでしょう。
向いているケース
- 特定のスキルを持つ人材の不足:
自社ネットワークだけでは見つけにくい希少なスキルを持つ人材を探す場合。 - 採用チャネルの拡大:
より多くの求職者にリーチし、母集団を拡大したい場合。 - 急募案件への対応:
スピーディーに大量の候補者を見つけたい場合。 - 新規事業や未開拓領域への挑戦:
経験のない分野での人材ニーズに対応する際。
外部求職者データベース選定のポイント
データベースの質と量
希望するターゲット層(年齢、職種、経験レベルなど)がどれだけ豊富に登録されているかを確認しましょう。
検索機能の充実度
スカウト機能の有効性
料金体系
サポート体制
はじめて求職者データベースを導入した企業の場合は、データベース利用上のトラブルもつきものです。そこで、運用上のトラブルや活用方法について、ベンダーからのサポートが充実しているかを事前に確認したうえで導入を決めましょう。
求職者データベース(外部データベース)の4製品紹介
ビズリーチ

特徴
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: ハイクラス層(年収750万円以上)、管理職、専門職、CxO候補などの即戦力人材を紹介したい人材紹介会社。スカウト型で主体的に候補者にアプローチしたい人材紹介会社
dodaダイレクト

特徴
パーソルキャリア株式会社が運営する、企業が直接候補者にアプローチできるダイレクトリクルーティングサービスで、dodaの膨大な求職者データベース(約800万人以上)を活用できる点が大きな強みです。幅広い年齢層や職種の求職者が登録しており、多様な求人ニーズに対応可能です。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 幅広い層(第二新卒~ミドル層)の求職者や、多様な職種の求人に対応したい人材紹介会社。自社で開拓する求人案件に加えて、大規模な求人サイトの登録者も候補として検討したい人材紹介会社
AMBI(アンビ)
特徴
エン・ジャパン株式会社が運営する、若手ハイキャリア向けのスカウト転職サービスで幹部候補や次世代リーダー・マネージャーとなりうる人材、専門性の高い若手人材が登録されているのが特徴です。年収500万円以上のハイスペックな20代~30代前半の若手層に特化しており、将来性のある優秀な人材と企業をマッチングさせたい人材紹介会社に向いています。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ: 若手ハイクラス層、幹部候補、次世代リーダー・マネージャー候補を紹介したい人材紹介会社。ポテンシャルの高い20代~30代前半の優秀な人材と企業をマッチングさせたい人材紹介会社
自社内データベースの導入に向いているケース
自社内データベースは、自社で獲得した人材の「管理」と「育成」、そして既存顧客との「長期的な関係構築」を重視します。
向いているケース
- 既存求職者の再活用:
過去に接点があった求職者の中から、新たな求人にマッチする人材を見つけたい場合。 - きめ細やかなサポート体制の構築:
求職者一人ひとりの志向性や状況を詳細に記録し、パーソナライズされた支援を行いたい場合。 - 候補者育成プログラムの実施:
長期的なキャリア支援を通じて、未来の採用候補者を育成したい場合。 - データ分析に基づく戦略立案:
過去の紹介実績や求職者のデータを分析し、採用戦略の改善に役立てたい場合。
自社内求職者データベース選定のポイント
使いやすさ(UI/UX)
情報の一元管理
検索・絞り込み機能
外部データベースとの連携機能
セキュリティの担保
多くの場合、人材紹介会社はこれら両方のタイプのシステムを併用することで、採用活動全体の効率と成果を最大化しています。外部データベースで新たな候補者を発掘し、自社内データベースでその後のプロセスを円滑に進める、といった連携が理想的です。
求職者データベース(外部データベース)の4製品紹介
PORTERS Agent(ポーターズエージェント)

特徴
株式会社ポーターズが提供する、人材紹介・派遣ビジネスに特化した業務管理システムです。求人企業・求職者情報の一元管理、案件・進捗管理、レジュメ作成、レポーティング、各種分析機能など、人材紹介業務に必要なあらゆる機能を網羅しています。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ:人材紹介・派遣業務の複雑なプロセスを効率化し、一元管理したい人材紹介会社。事業規模の拡大を目指しており、システム基盤を強化したい人材紹介会社
MatchinGood(マッチングッド)

特徴
株式会社マッチングッドが提供する、人材紹介・人材派遣に特化したクラウド型業務管理システムです。シンプルで直感的な操作性が特徴で、求職者・求人企業管理、マッチング、選考管理、売上管理、各種帳票作成など、人材紹介・派遣業務全般をサポートします。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ:シンプルで分かりやすい操作性の業務管理システムを求める人材紹介・派遣会社。売上管理や請求業務も含めてシステムで管理したい人材紹介・派遣会社
LaS (ラス)
特徴
求職者・求人企業を一元管理できる人材紹介事業向けの総合データベース。特に、求職者エントリーフォームの活用により、求職者集客を効率化できる点が強み。求人企業の開拓状況も分かりやすく管理でき、事業全体の可視化に貢献します。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ:求職者集客から求人管理まで一元的に行いたい企業、事業全体の効率化を目指す企業
HRMOS採用(ハーモス採用)

特徴
株式会社ビズリーチが提供する採用管理システム(ATS)です。人材紹介会社向けのサービスというよりは、採用を行う企業向けのサービスであり、人材紹介会社は、HRMOS採用を導入している企業に対して候補者を推薦する際、企業側のHRMOS採用を通じて応募状況を共有される形が一般的です。
料金体系: 要問い合わせ
こんな企業におすすめ:主要な取引先企業がHRMOS採用を導入しており、システム連携を通じて応募や進捗管理を効率化したい人材紹介会社
まとめ:人材紹介事業の効率をあげるならデータベース導入の検討がおすすめ
人材紹介事業における業務効率化と事業成長を考える上で、人材紹介データベースの導入はもはや選択肢ではなく、必須のツールとなりつつあります。
そして本記事では、求人データベースと求職者データベースそれぞれの基本機能、メリット・デメリット、そして具体的な活用方法について詳しく解説しました。さらに、数あるサービスの中から自社に最適なデータベースを選ぶためのポイントと、具体的な製品例もご紹介しています。
人材紹介会社はデータベースを導入することで、煩雑な情報管理から解放され、本来注力すべき「求職者との深いコミュニケーション」や「企業への質の高い提案」に時間を割くことができるようになります。これにより、マッチング精度が向上し、成約率アップ、ひいては事業売上の最大化へと繋がるでしょう。
まずは、どのデータベースが自社に最適かを知り、導入後の運用イメージを具体的に持つためには、各サービスのデモを試したり、資料請求を行ったりすることをおすすめします。
これから事業を開始する人材紹介会社だけでなく、「事業をもっと伸長させたい」・「成果を最大化させたい」という担当者の方は、求人データベース・求職者データベースを導入し、自社事業を新たなステージに進めてみてはいかがでしょうか?